松田惣一郎子どもの歌 第4集 「ぽろろんぱ」

1 ちょっとまって流れ星
2 あいさつしよう
3 君の名前おぼえたよ
4 ぽろろんぱ
5 うさぎのおうち
6 きつつきコンちゃん
7 ゆっくりのうた
8 イェイイェイ ウォウウォウ
9 美しい十月
10 だってひみつきち
11 ねこのピンちゃん
12 ずっと友だち
全作詞・作曲・編曲・プログラミング:松田惣一郎
1999年8月 発表
「ぽろろんぱ」ライナー・ノート
あいさつしよう
1998年の9月に作った曲でこの中では一番古い。まだコンピュータ打ち込みで作ろうという発想がなくて、初めはただギターで歌うだけだった。 あいさつは、しいられてするものではないという気持ちがどこかにあって、この歌が浮かんだように覚えている。
最初は発表するつもりがなかったが、'99年の初めごろ見直してみて、案外悪くないと思い、スウィング・ジャズ風に編曲してみた。
きつつきコンちゃん
ある音楽の研究授業が私に回ってきた。何か1年生に、これまでにないような楽しい合奏をさせようと思ったが、ぴったりの曲がない。それなら作ってしまおうということで、覚えたてのコンピュータ・ミュージックでこの曲を作ったのが始まりだった。ついでに歌詞をつけて子どもたちに歌ってもらったら、子どもたちがすごくのってきた。
曲はブルースの定型にそったシンプルなもので、作曲などとは言えないものである。むしろ1年生向けに思い切り単純にしたところが工夫と言えば工夫か。レとドしか使わないので鍵盤ハーモニカで指が動かない子でも楽しく参加できる。
美しい十月
秋は素晴らしい季節で私は大好きなのだが、毎年忙しくて、秋を味わう暇がない。運動会が終わってまもない静かな秋の夜に、そんなことを思いながら一人でギターを弾いていたら、ふとこの歌が浮かんできた。
高学年向けの曲だが、1年生でも歌ってくれた。
だってひみつきち
「コンちゃん」や「美しい十月」を子どもたちが歌ってくれて気をよくした私は、コンピュータを使って童謡を作る事にだんだん熱中していった。そしてその年11月、クラスであった事件をもとにこの歌ができた。「だってそうでしょ」というのは、1年生のさやかちゃんの日記にあった言葉である。
自分達がモデルであっただけに、子どもたちは特別の思いでこの歌を歌ってくれた。
ちょっとまって流れ星
1998年の11月10日、しし座流星群が見られるという日だった。大淀川の堤防道路を自転車をこぎながら帰っていると、ふと、「流れ星お願い〜 」というフレーズが浮かんできた。初めは静かなバラード調の曲だった。
昔、父が病気で入院していた時、姉が流れ星に向かって「父治れ、父治れ、父治れ」ととなえたという話を、母はよくしていた。そんなことを考えながら作った曲である。
'99年の1月にこの曲ができあがった時、どういうわけかバリバリのラテン調になってしまっていた。やや歌いにくい歌だが、他のクラスでは歌に興味のないきかん坊達も好んで歌ったそうである。
ねこのピンちゃん
'98年の冬、仕事から帰って一息ついていると、猫のピンが当然のように膝に乗ってきた。ところがなぜか顔を上げてじっと私の顔を見ている。そこで頭に浮かんだフレーズを、そばにあったノートに書いたのがこの歌である。一番簡単にできた歌だろう。
この歌ははじめ猫の名前が架空の「ももちゃん」だった。その方がかわいいのだが、ピンちゃんの方がリズムがいいような気もする。娘達も「ぜひピンちゃんの名前を入れてくれ」というので、今回ピンで発表した。
うさぎのおうち
'99年2月、江南小の「かがやき集会」のために作った曲。原曲は4番まであったが、長過ぎたので一部歌詞を変え、短くした。
これもわりと気楽に作った曲である。土曜の夜風呂につかっていたら浮かんだ。ところが、これが案外好評だった。苦心して作ってもまるで受けないものもあるし、逆に気楽に作ったものが気に入られたりする。
ずっと友だち
学年末の忙しい頃、この歌ができた。一番忙しい頃こんな歌をせっせと作っていた私は、ある種の馬鹿には違いないが、でも学年末の仕事は評価ばかりではないはずである。学級を感動的に終える事こそ一番大事な学年末の仕事ではないか。そういう思いがあった。
できあがった後で、すでに「ずっとずっと友だち〜」というフレーズの有名な歌があると知り、発表をやめようかと思ったが、ほかは似ていないし、この歌を気に入ってくれた親友の尾前先生に励まされたこともあり、発表する事にした。
70年代のフォークの雰囲気で書いた。アコースティックギターは打ち込みが難しかったのでコンピュータを使わず生ギターを弾いている。
君の名前おぼえたよ
これは学級での出会いの歌である。新学年で歌うように作ってみた。
「名前を早く覚えて友達になりましょう」という指導からこのフレーズが浮かんだ。
これもサビの2行と似たフレーズが既製曲にあるのを後から気づいたが、全体のオリジナリティは十分と思っている。 いい言葉やメロディを見つけたと思っても、すでに誰かに作られていることは多い。しかし、創作する者としては、可能な限りオリジナリティを追求していきたい。
ぽろろんぱ
どういうわけか、短調の曲が一曲もないのに気づいた。子どもの歌で短調は詞が難しい。これは短調に挑戦してみた歌である。
これも自転車で帰宅途中に浮かんだ歌である。どうも私は自転車に乗っていて思いついた歌が多い。
ゆっくりのうた
この歌は'99年の2月に発想しているのだが、なかなか完成しなかった。一人で崩して歌うなら簡単なのだが、みんなで歌えるように、ある程度刈り揃えるところが難しかった。
イェイイェイ ウォウウォウ
'99年の江南小1年生の運動会ダンス曲として作ったレゲェ。最初この曲集には含まれていなかったが、CD化の際に追加したものである。
みんな楽しく歌い踊ってくれた。それだけで嬉しい。
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